経営方針書を作ろう! 4人の事例を通してクロッシングを学ぼう!
今期、広島西経営研究会では、1年を通じて経営計画書づくりに役立つ例会を開催しています。コーディネーターの㈱エス・ケイハウジング 代表取締役 児玉氏を含め、4名の広島西会員企業の経営者に事例を発表して頂きながら、どんな意思決定をして今があるのか、また、これから未来に向けどんな意思決定をしなければならないのかを感じ、そこから自社のクロッシングについて考える例会でした。
まず、クロッシングとは何か?どのように変化していくべきかなどを児玉コーディネーターにレクチャーして頂いた後、発表者3名に各社の意思決定・クロッシング表の変化について発表して頂きました。
クロッシングとは…
誰に(お客様)・何を(商品・サービス)・どの様に攻めるのか。戦略的意思決定のこと。
経営とは意思決定の連続である。自社の強み・弱みに市場環境をクロスさせ、自社の経営の優先課題を明確にする。
■㈱出野水産 代表取締役 出野 保志 氏
練り製品製造会社。初期(30年前)は卸や学校給食、宮島観光客への実演販売や土産として。その後、交通網の発達からJR売店や空港、高速道路サービスエリアでの販売など、時代や外部環境の変化に合わせ、売り方と売り場所を変える意思決定と、練り製品としては高価格ではあるが絶対に値を下げず、価格競争に巻き込まれない為の「いずの」のブランディングをおこない今日がある。
これからはインターネットの活用や平成30年完成の広島駅前開発を見据えての出店など、『広島と言えば、あなご竹輪』を目指した意思決定を行ってゆく。
~コーディネーターより~
出野水産は30年の間BtoB→BtoC→BtoBと売場と売り方を変化させ、これからはまたBtoCに立ち戻る。
自社の商品・サービスで売り上げ低下や、魅力は有るのに伸び悩むものがあれば、売場と売り方を変化させてみては。
■㈱なんじゃろー 代表取締役 植田 修司 氏
飲食業。10年前、焼き鳥修行から店を引き継ぎ開業。当時は経営感覚が無く、その後新たに展開した2店舗は、あえなく閉店。6年前に経営研究会と出会い、1番商品を作り地域密着で攻めて行こうと決め、広島市安佐南区で道路を挟んだ向かい合わせで2店舗を展開。
一方の店舗が満席で入れなかったお客様がもう一方の店にという状況が発生し、後者のスタッフのモチベーションが下がり始めたことに危機感を覚え、初めて経営計画書を活かすため、3年弱で集めた3千数百名のデーターをもとに徹底的な顧客分析を行い、もう一方を今まで捨てていたファミリー層も取り込める店舗に。
今後はさらにデーター分析とマーケティングを行い、お客様の年代・商品・売り方を考えながら、自分たち飲食店がひとつの街づくりを担える様な徹底的な地域密着型の店舗展開を目指す。
■竹末洋紙㈱ 専務取締役 竹末 耕三 氏
創業62年の紙販売業。典型的なBtoB。20年前、紙メーカーから卸が購入する際、いついかなる時でも荷受けが出来るキャパシティーを持たなければならなかった為、倉庫は各所合わせて1,000坪のいわゆる「持つ経営」。
20年前の一般へのコピー機の普及やカタログ・チラシによる紙消費全盛期から、時代はペーパーレスに向かっており、業界全体が縮小傾向である。今まで変化することに
恐れがあった。クロッシングの中の捨てるものは「変化に対する恐れ」と気づく。
現在は、お客様の製品を預かり、管理・配達までを行う物流サービスと、印刷やパッケージなど既存の紙の利用法から離れた新たな紙の用途開発にチャレンジしている。
各発表毎にグループディスカッションも設けられ、発表者へのお土産として出席者による利用者目線での「あったらいいな」では、沢山の素晴らしいアイディア発表があり、大変盛り上がりました。
広島西経営研究会 広報委員 高崎敬子