4月合同例会 「わが社は何業か?そして自社の使命とは…」
4月例会ご報告
「わが社は何業か?そして自社の使命とは…」
講師/株式会社インデップ 代表取締役 荒井 照三 氏
2014年4月22日(火)
株式会社インデップは昭和37年に「繊維の町」福山市で創業、現在はミセスファッシン専門の アパレルメーカーとして年商50億円、自己資本比率94%と大変な優良企業です。今回、代表の荒井 照三氏に事業内容と成功要因をお話し頂きました。
最も大きな成功要因は、1994年中国での生産開始。荒井社長は前職、証券会社での経験から中国に興味を持たれ、
インデップ入社半年後には中国に赴きます。中国での初回生は4割が不良品でしたが、驚くべき事に残り6割の販売で、初回から黒字だったとの事。その後足繁く海外を訪れ、ノウハウを蓄積され、現在では中国に8工場、バングラデシュに2工場、インドに2工場のパートナー工場を持たれています。特に中国に次ぐ衣類輸出国であるバングラデシュでの生産に力を入れておられます。
このように海外生産が成功のきっかけとなりましたが、海外進出前に成功の準備ができていたように思います。1962年の生活雑貨問屋から始まり、衣料品のみ、婦人服のみ、ミセス品のみ、シルバーミセス品のみ、ベストカーディガンのみと取扱いアイテムを時代とともに絞られます。そして現在、「上代10 0 0 円代のシルバーミセス向けベスト・カーディガン」と、どのマーケットで勝負するか明確にされています。この事が海外での成功を後押ししたように思います。また、海外生産に加え、商品カテゴリーを絞る事で価格優位性を持つ事ができ、取引先が量販店でも利益が出せる仕組みがつくれています。お話の途中でバングラデシュの工場の映像、量販店向けのプレゼン資料等、貴重な経営情報も拝見でき、どのような流れで業績を上げられているのかイメージしやすい内容でした。
例会後半では、社内で実施されている「ありがとう経営」についてお話頂きました。顧客満足はもちろんの事、従業員満足も大切にされている荒井社長は、従業員のモチベーションが保てる取組みを多くされています。創業の精神、経営理念、使命、事業ドメイン、ビジョンを明確にし、映像やポスターを作る等して、従業員に浸透しやすくなる工夫をされています。また、効果的だとお話されたのが13の徳目朝礼。導入前にはいろいろ社内で抵抗があったようですが、導入してみると素晴らしい朝礼であると、自社の朝礼映像を流しながら熱心にお話しされました。
「従業員を幸せにする」「大手に価格は負けない」という強い思いを持ちながら、謙虚な物腰の荒井社長の魅力も感じられた例会であったと思います。荒井社長に心から敬意を表すとともに、深く感謝申し上げます。
広島西経営研究会総務委員会 野村 佳